「WordPressの保守って、そもそも何を指しているの?」
「更新やバックアップ以外に、やるべきことってあるの?」
そう感じたことはありませんか?
本記事では、WordPressサイトを安全かつ安定的に運用するために欠かせない「保守管理」について、作業内容の全体像と実務的な考え方をわかりやすく整理して解説します。
目次
- WordPressの「保守管理」とは?
- 保守管理に含まれる主な作業内容
- 保守=「更新」だけではない理由
- 保守を怠ることで発生し得るリスク
- 自分でできる保守作業とは?
- 外注すべき保守管理の判断基準
- 外注する場合の注意点とチェックポイント
- 制作会社ができる範囲と注意点
- まとめ
- 保守に関するご相談・お問い合わせ
- 一緒にご一読いただきたい記事
WordPressの「保守管理」とは?
WordPressの保守管理とは、一言でいえば、サイトの安全性・安定性・継続性を維持するための管理作業全般を指します。
表面には出にくい「裏方の作業」ですが、日々の更新やトラブルへの備え、予防策を講じておくことで、サイトの運用を安定させ、余計なリスクや手間を減らすことができます。
保守管理に含まれる主な作業内容
WordPressの保守管理には、以下のような作業が含まれます。
カテゴリ | 主な作業内容 |
---|---|
システム更新 | WordPress本体・プラグイン・テーマの更新、PHPバージョン管理 |
セキュリティ対策 | ログイン制限、二段階認証、WAF設定、不要プラグイン削除 |
バックアップ | 定期的なデータベース・ファイルのバックアップ、自動化設定 |
モニタリング | エラーログ確認、アクセスエラーの検出、通知設定など |
トラブル対応 | 表示崩れや動作不具合時の原因特定・復旧作業 |
サーバ管理(必要に応じて) | SSL証明書更新、ディスク容量の管理、PHPバージョン調整など※マネージドサーバや共有サーバでは対象外となることがあります。VPSの場合も、契約内容により対応範囲が異なります。 |
保守=「更新」だけではない理由
「保守」と聞くと、WordPressの更新作業だけを想像する人も少なくありません。
しかし、実際には以下のような幅広い対応が必要です。
- 更新後に不具合がないか動作確認すること
- 不具合が起きた場合に迅速に原因を特定し、復旧に導くこと
- 万が一に備えて、バックアップ体制を整えておくこと
特に更新に起因するトラブルはよくあるケースで、プラグイン同士の競合やテーマとの不整合によって、突然サイトが真っ白になってしまうこともあります。
保守を怠ることで発生し得るリスク
保守作業を行わずにサイトを放置してしまうと、以下のようなリスクが現実になります。
- 脆弱性を突かれて不正アクセス・改ざんされる
- 自動更新でエラーが発生し、サイトが表示されなくなる
- バックアップがなく、トラブル発生時に復旧が不可能になる
- Googleなどの検索エンジンから「安全ではないサイト」としてマークされる
- ユーザーや顧客、社内からの信頼が損なわれる
特にビジネスサイトにおいては、「保守を怠った結果、売上や信用に悪影響が出た」という例も少なくありません。
自分でできる保守作業とは?
WordPressの保守は、ある程度の知識とツールがあれば自分で対応することも可能です。
以下は、比較的個人・小規模サイト運営者でも対応しやすい保守作業の例です。
- 管理画面からのWordPress本体・プラグイン・テーマの更新
- All in one Migration(自分でやるなら有償版推奨)などのプラグインを使った自動バックアップ設定
- ログイン試行制限(Wordfence Security = WAFとしてはおすすめ)
- 使っていないプラグイン・テーマの削除
- 管理画面URLの変更
ただし、自動更新による不具合や、重大なエラー時の対応については、知識と経験がないとリスクが高まるため注意が必要です。
外注すべき保守管理の判断基準
次のような場合は、部分的にでも外注を検討したほうが安全です。
- Web制作会社がいなくなってしまい、誰にも相談できない
- 自分で更新したあとに、たびたび不具合が起きる
- サイトが会社の名刺代わりになっており、止まると支障が出る
- 複数人で管理しているが、誰が何をやっているか把握できていない
- 定期的な更新やチェックが後回しになっている
特に、「売上や問い合わせに関わるサイト」の場合、更新トラブルやセキュリティ事故は事業に直結する問題となります。
外注する場合の注意点とチェックポイント
保守を依頼する際は、以下のような点を確認しておくと安心です。
- 月額費用、対応時間帯、連絡手段の明確化
- バックアップの取得頻度、保管期間
- 更新前の事前確認を実施しているか
- トラブル時にどこまで対応してもらえるか(範囲と時間)
- 保守対象にサーバやドメインの管理が含まれるか
- 契約前に保守対象の明細が提示されるか(曖昧な「見守り」には注意)
制作会社ができる範囲と注意点
なお、保守の対象範囲については誤解されやすいポイントです。
たとえば、マネージドサーバを利用している場合でも、WordPress本体やプラグインの更新・管理はユーザー自身(または制作会社)で行う必要があります。
サーバ会社が対応するのはあくまでOSや稼働環境の管理であり、WordPressそのものの保守は含まれていないのが一般的です。
また、VPSや専用サーバを利用している場合には、root権限が必要な設定やセキュリティレベルの管理など、サーバ管理側の作業が必要になることもありますが、これらが制作会社の保守対象に含まれていないケースも少なくありません。
そもそも制作会社が保守業務に対応していないこともあります。
「作って納品して終わり」というスタンスで、更新や管理が一切されずに放置されるサイトも少なくありません。
本来は制作と保守を一体で請け負える体制が望ましいですが、そうでない場合は「誰が・どこまで・いつまで対応するのか」を明確にしておくことが非常に重要です。
まとめ
WordPressの保守管理とは、単なる更新作業だけでなく、**トラブルの予防や復旧を含めた「サイトの健康管理」**といえる存在です。
とくに以下のポイントが重要です。
- 本体・プラグイン・テーマの更新だけでなく、その影響範囲の確認が重要
- セキュリティ対策・バックアップ・トラブル対応をワンセットで考える
- 保守範囲には「どこまでを誰がやるのか」を明確にする必要がある
自分でできる範囲はしっかり対応し、必要に応じて「自分では難しい領域」だけ外部の専門家に頼る、という柔軟なスタイルが理想的です。
保守に関するご相談・お問い合わせ
- 「もっと具体的な運用方法を知りたい」
- 「自社サイトに最適なアップデート管理を提案してほしい」
- 「保守管理の一部だけ外注したい」
保守プランのご提案、お見積り、ご質問など、下記フォームより承っております。