情報確認日:2026年10月4日
「ChatGPTやGoogleのAIによる概要に、自社を表示させたい」。こうしたご相談が増えています。AIO、LLMO、GEOと呼び名はいくつかありますが、内容はほぼ同じです。
AI検索に表示されたいという目的は、もっともだと思います。一方で、この話は「llms.txtを置く」「構造化データを入れる」といった手段から始まりがちです。手段を先に決める前に、AIが実際にサイトの何を読んでいるのかを見ておきたいと考え、当社が運用に関わるサイトのうち、普段からアクセスの多いサイトでアクセスログを集計しました。
- AIは、通常のページを大量に読みに来ています。
- AI向けに用意したllms.txtは、AIにはほとんど読まれていませんでした。
- AI検索からの訪問は、すでに発生しています。特別なAI向け施策が効いた結果ではなく、通常のページが読まれた結果です。
調べたこと
2つのサイトは、どちらもGoogle検索の平均掲載順位が一桁台のサイトです。以前からllms.txtを設置し、robots.txtでAIのクローラーを拒否していません。
| サイトA | サイトB | |
|---|---|---|
| 集計期間 | 2026年8月14日〜10月4日(52日) | 2026年8月14日〜10月4日(52日) |
| 全リクエスト数 | 約156万 | 約258万 |
| Google検索の平均掲載順位(直近3か月) | 一桁台 | 一桁台 |
平均掲載順位はGoogle Search Consoleの値です。それ以外の集計は、サーバーのアクセスログに記録されたUser-Agent(アクセス元が名乗る名前)とリファラー(どこから来たか)を数えたものです。User-Agentは自己申告なので、なりすましが混ざる可能性があります。厳密な値ではなく、桁の比較として見てください。
AIは通常のページを読みに来ている
| クローラー(役割) | サイトA | サイトB |
|---|---|---|
| ChatGPT-User(利用者の質問に答えるため、ChatGPTがページを読む) | 20,061 | 77,052 |
| OAI-SearchBot(ChatGPT検索のための巡回) | 2,228 | 6,199 |
| GPTBot(OpenAIの学習用の巡回) | 3,368 | 2,884 |
| ClaudeBot(Anthropicの巡回) | 10,928 | 13,353 |
| PerplexityBot(Perplexityの巡回) | 1,853 | 6,540 |
| Googlebot(Google検索の巡回) | 10,579 | 57,148 |
| bingbot(Bing検索の巡回) | 10,085 | 69,487 |
目を引くのはChatGPT-Userです。これは、誰かがChatGPTに質問したときに、回答の材料としてページを読みに来るアクセスです。サイトBでは52日間で約7万7千回、1日あたり約1,500回ありました。Googlebotより多い数です。
AIのために特別なページを用意しなくても、AIは人が読むのと同じページを読んでいます。
llms.txtは、AIにほとんど読まれていない
llms.txtは、サイトの内容をAI向けに要約して案内するためのファイルです。2つのサイトでは、llms.txtに加えて、各ページの内容をMarkdownにしたファイルも用意しています。
これらを誰が取りに来たかを数えました。
| 取りに来た相手 | サイトA | サイトB |
|---|---|---|
| 合計 | 321 | 873 |
| 名前の分かるAIクローラー | 17 | 0 |
| サイト運営側の自社ツール | — | 725以上 |
| SEO点検ツール | 44以上 | 39以上 |
| ブラウザを名乗るアクセス(正体不明) | 181以上 | — |
サイトAの17件は、Claude-Userが15件、ClaudeBotが1件、GPTBotが1件です。Claude-Userは利用者がClaudeに頼んでページを読ませたときのアクセスで、自動の巡回ではありません。AIが自分から取りに来たと言えるのは、52日間で2件です。
OpenAIの3種類のクローラーは、サイトAに約2万6千回、サイトBに約8万6千回来ています。そのうちllms.txtを取得したのは、2サイト合わせて1回でした。Perplexityは0回です。
llms.txtを一番取りに来ていたのは、AIではありませんでした。サイトBでは運営側の自社ツール、サイトAでは「llms.txtがあるかどうか」を調べるSEO点検ツールと、正体の分からないブラウザ名義のアクセスです。
サイトAで、正体不明のアクセスがすべてAIだったと仮定しても約200件です。名前の分かるAIクローラー全体のアクセス(約4万回)の1%に届きません。
Googleも公式の案内で、AIによる概要やAIモードに表示されるために、新しい機械可読ファイルやAI用テキストファイル、特別な構造化データは必要ないと説明しています。
2026年10月4日確認
それでもllms.txtを置いている理由
AIがほとんど読みに来ないのに、当社がllms.txtを置いているのには理由が2つあります。
一つは、自分たちがAIに読ませるときに便利だからです。サイト全体の内容がMarkdownでまとまっているので、AIに渡して、内容が重複しているページがないかを確認する、といった作業に使えます。上のClaude-Userのアクセスは、この使い方によるものです。
もう一つは、点検ツールの評価項目になっているからです。GoogleのLighthouseには、バージョン13.3.0で「agentic browsing」という分類が加わり、その中にllms.txtを確認する項目があります。PageSpeed Insightsの結果にも「エージェントによるブラウジング」として表示されます。llms.txtを置いているサイトで実際に確認したところ、3項目中3項目が合格で、そのうち1項目がllms.txtでした。llms.txtのない別のサイトでは、対象が2項目に減り、llms.txtの項目は「該当なし」でした。置くと評価項目が1つ増えますが、置いていないことで不合格になるわけではありません。なお、この分類には「現在開発中で、変更される可能性がある」という注記が付いています。今回のログにも、Lighthouseと同じ端末名を名乗るアクセスがllms.txtを取得した記録がありました。
ただし、点検ツールの項目が増えることと、AI検索に表示されることは別の話です。前者はファイルの形式を確認しているだけで、後者に効くという根拠にはなりません。
2026年10月4日確認
robots.txtは読まれている。ただし「書けば来る」ものではない
llms.txtと違い、robots.txtはAIのクローラーにも読まれていました。サイトAではOAI-SearchBotが308回、ClaudeBotが863回、PerplexityBotが198回取得しています。
ただ、2つのサイトのrobots.txtは書き方が違います。サイトAはAIのクローラーを一つずつ名前で書いて許可しています。サイトBは全クローラー共通の指定だけです。それでも、どちらにもAIのクローラーは来ています。
robots.txtで大事なのは、AIの名前を書くことではなく、拒否していないことです。確認が必要なのは、気づかないうちにブロックしている場合です。セキュリティ設定やサーバー側の制限で、AIのクローラーだけ弾いていることがあります。
なお、OpenAIはクローラーを用途別に分けています。ChatGPT検索に表示されるにはOAI-SearchBotを許可する必要があり、学習に使われたくない場合はGPTBotだけを拒否できます。
2026年10月4日確認
AI検索からの訪問は、すでにある
AIサービスから実際に人が訪れた回数を、リファラーで数えました。
| 訪問元 | サイトA | サイトB |
|---|---|---|
| ChatGPT | 192 | 2,264 |
| Gemini | 31 | 79 |
| Perplexity | 0 | 14 |
| Copilot | 0 | 14 |
| Claude | 0 | 2 |
リファラーはアプリ経由などでは記録されないこともあるため、実際の訪問はこれより多いはずです。
サイトBは、ChatGPTから1日あたり約44件の訪問がありました。このサイトのllms.txtをAIは読んでいません。訪問を生んでいるのは、内容を具体的に説明した通常のページです。
GoogleのAI機能でも同じです。Search Consoleには、Google検索の生成AI機能での表示回数を確認できるレポート(ベータ版)があります。直近7日間(9月26日〜10月2日)の表示回数は、サイトAが約1.7万回、サイトBが約14万回でした。どちらのサイトも、GoogleのAI機能のために特別な対応はしていません。通常の検索で上位に表示されているページが、AI機能にも表示されています。
下の画面は、サイトAのレポートです。左上の「合計表示回数」が、7日間の合計です。

もう一つ分かるのは、読まれる回数と訪問の回数の差です。サイトAでは、ChatGPTが約2万回ページを読みに来たのに対して、ChatGPTからの訪問は192件でした。AIが内容を読んで回答に使っても、利用者がサイトまで来るとは限りません。AI検索の成果を訪問数だけで測ると、実態より小さく見えます。
では、何をするのか
数字から言えるのは、AIは人と同じページを読んでいる、ということです。そうであれば、やることは人に向けてやることと大きく変わりません。
Googleも、公式に同じことを案内しています。AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ありません。SEOのベストプラクティスはAI機能でも引き続き有効で、信頼性が高く有用な、ユーザー第一のコンテンツを作ることを重視するように、という内容です。
2026年10月5日確認
つまり、基本的なSEOをきちんとやる、ということです。具体的には次の4つです。
- 検索する人の疑問や課題に、ページがきちんと答えていること
- 誰が書いたのか、どんな会社が運営しているのかが分かること
- 自社の経験やデータなど、他のサイトにない一次情報があること
- 専門的な内容を、正確に、具体的に書いていること
SEOで以前から言われているE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)と同じ内容です。Googleは、この中で信頼性が最も重要だとしています。また、コンテンツを「誰が、どのように、なぜ」作ったのかという観点で見直すことを勧めています。AI検索のために新しい考え方が必要になったのではなく、これまでの基本がそのまま当てはまります。
なお、E-E-A-Tはそれ自体が順位を直接決める要因ではない、ともGoogleは説明しています。点数を上げる対象ではなく、内容を見直すときの観点として使うものです。
2026年10月5日確認
内容だけでなく、HTMLの構造も
もう一つ、以前から当たり前にやってきたことがあります。HTMLのタグを、意味どおりに使うことです。AI検索のための話ではなく、検索エンジンのクローラーに内容を正しく伝えるための、いわゆるSEOの基本です。
- 見出し(h1〜h3)が、内容の階層どおりに付いているか
- 箇条書きや手順はリスト(ul、ol)、用語と説明は定義リスト(dl)、比較は表(table)で書いているか
- article、section、nav、mainなどを、それぞれの意味に合わせて使い分けているか
- 見た目を整えるためだけに、意味の違うタグを使っていないか
AIが読んでいるのも、同じHTMLです。これまでクローラーに向けてやってきたことが、そのまま当てはまります。
AI検索に固有の確認事項もあります。ただし、どれも一度確認すれば済む点検です。
- AIのクローラーを、robots.txtやセキュリティ設定で拒否していないか
- 本文が、JavaScriptを実行しなくても読める形で出力されているか
- アクセス解析で、AIサービスからの訪問を分けて見られるようになっているか
llms.txtや構造化データを否定するつもりはありません。当社でも設置していますし、上に書いたとおり使い道もあります。今後、AI側の扱いが変わる可能性もあります。ただ、現時点の数字を見るかぎり、これを置いたからAI検索に表示される、とは言えません。
「効くかもしれない」は、検証する
AI検索は仕組みが公開されておらず、変化も速い分野です。「こういう書き方が引用されやすい」という話は多くありますが、自社のサイトで当てはまるかどうかは、試してみないと分かりません。
当社では、施策を「こういう傾向があるかもしれないので、検証する」という形で進めます。
- 表示されたい質問を決める(誰が、何を知りたくて聞く質問か)
- その質問をAIに投げて、現在の回答と引用元を記録する
- 仮説を立てて、対象のページを直す
- 同じ質問を一定期間くり返し投げて、変化を見る
- アクセスログと解析で、クローラーの来訪と実際の訪問を確認する
AIの回答は同じ質問でも毎回変わるため、1回の結果では判断しません。分かるのは傾向までです。その前提で、数字を見ながら続けるかどうかを決めます。
まとめ
- AIのクローラーは、通常のページを大量に読んでいる
- llms.txtは、現時点ではAIにほとんど読まれていない。自分たちの作業や点検ツールには使える
- AI検索からの訪問や表示はすでにあり、通常のページの内容がそれを生んでいる
- やることの中心は、基本的なSEO。読む人の課題に答える内容と、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)
- HTMLのタグを意味どおりに使う、というこれまでの基本も同じ
- AI固有の確認事項は、一度の点検で済む
- それ以外の施策は、仮説として検証する
grandworkでは、SEOとコンテンツ制作、アクセスログや解析を使った検証をお受けしています。
- AI検索への対応で、何から始めればよいか迷っている方へ現状の確認からご相談ください。アクセスログと解析の数字を見ながら進めます。SEO・コンテンツ制作の内容を確認する
