本文へ移動

Shopifyの保守は何をする?ストア本体・テーマ・アプリで担当を分ける

Shopifyでは、サーバーやセキュリティ、本体の更新はShopifyが担います。では、ストア側に何が残るのか。テーマ、導入したアプリ、自社アプリ、外部との連携、日々の運用に分けて、直すのは誰か、どこに相談するかを整理します。

IN THIS ARTICLE

「Shopifyはサーバーも本体の更新も、Shopify側が見てくれると聞いた。それなら、保守を頼む必要はあるのだろうか」。Shopifyでストアを運営している方から、こうした相談をいただくことがあります。

たしかに、WordPressのように本体やサーバーの更新を自社で抱える場面は、Shopifyではほとんどありません。ただ、ストアはShopifyの仕組みだけでできているわけではありません。選んだテーマ、入れたアプリ、倉庫や基幹システムとの連携、そして毎日の商品登録や受注処理。どこまでがShopifyの担当で、どこからが自社や依頼先の担当なのかを分けておけば、何かあったときに誰へ連絡すればよいかで迷わずに済みます。

この記事の結論

サーバー、セキュリティ、本体の更新はShopifyが担います。ストア側に残るのは、テーマ、導入したアプリ、外部との連携、日々の運用です。自社で開発したアプリを持っている場合だけは、それとは別に、コードを直し続ける保守が必要になります。

Shopifyが担っていること

Shopifyは、カード情報を扱う事業者向けの国際的な安全基準であるPCI DSSについて、最も厳しいレベル1の認定を受けています。この認定はストア、ショッピングカート、Webサイトの配信までを対象にしていて、Shopify公式は、Shopifyを使うすべてのストアに標準で適用されると説明しています。サーバーの管理や本体の更新を、ストア側で行う必要はありません。

出典
Shopify「PCI DSS準拠」確認日:2026年10月16日

一方で、Shopifyは利用規約で、サービスやその一部を予告なく変更できると定めています。管理画面の動きや提供される機能が、ある日変わることもあります。その変化に、テーマやアプリ、自社の運用がついていけているか。ここから先が、ストア側の担当です。

出典
Shopify利用規約確認日:2026年10月16日

ストア側に残る5つの担当

ストア側に残る仕事は、大きく5つに分けられます。それぞれ、直すのが誰で、問い合わせる先がどこかが違います。

対象直すのは誰か起きやすいこと最初の相談先
テーマバグとセキュリティの修正はテーマの提供元。カスタマイズした部分は自社か、カスタマイズした制作会社新しい版に、コードの変更が引き継がれないテーマの提供元、カスタマイズした制作会社
App Storeから入れたアプリアプリの開発者思ったとおりに動かない。外したあとも、テーマにコードが残るアプリの開発者
自社で持っているアプリ自社、または開発・保守を頼んだ会社使っているAPIのバージョンに期限が来るアプリの開発会社
倉庫・基幹システムなどとの連携連携の仕組みを作った会社相手側のシステムの変更で止まる連携システムの担当会社
日々の運用自社(または運用代行の依頼先)商品や価格の登録の誤り、管理画面の権限の付けすぎ社内の担当者、運用の依頼先

テーマ:新しい版を当てるのはストア側

Shopifyのテーマにも自動更新はあります。ただ、Shopify公式の説明では、自動更新はテーマのバグやセキュリティの問題を直すためのもので、見た目や内容、設定は変わりません。新しい機能が入った版は、ストア側で下書きのテーマとして追加し、表示を確かめてから公開します。

気をつけたいのは、テーマのコードを直接書き換えている場合です。テーマエディタで変えた設定は新しい版へ引き継がれますが、コードの変更は、更新と競合しないときにだけ含まれます。反映されなかった変更は、新しい版へ手で移さなければなりません。公式も、更新する前にカスタマイズしたコードのコピーを保存しておくよう案内しています。

また、ファイルをアップロードして入れたテーマは自動更新の対象外です。Theme Store以外で買ったテーマの更新は、そのデザイナーへの問い合わせになります。サポートが終わった旧式のテーマは、Shopifyによる更新もありません。自社のテーマがどれに当たるかは、一度確かめておきたいところです。

出典
Shopifyヘルプセンター「テーマを更新する」Shopifyヘルプセンター「テーマを複製する」確認日:2026年10月16日

App Storeのアプリ:問い合わせ先は開発者

Shopifyのアプリの多くは、Shopifyではなく外部の開発者が作っています。Shopifyのヘルプセンターも、サポートの対象はShopifyが作ったアプリだけで、外部の開発者のアプリは開発者へ直接問い合わせるよう案内しています。

アプリを外すときにも、一つ注意があります。アプリの中には、テーマにコードを追加し、アンインストールしても自動では消えないものがあります。使わなくなったアプリを外したあとに表示の崩れや読み込みの遅さが残るなら、テーマに残ったコードを疑ってみます。

出典
Shopifyヘルプセンター「アプリのサポートを受ける」Shopifyヘルプセンター「アプリをアンインストールする」確認日:2026年10月16日

自社で持っているアプリ:APIに期限がある

自社の業務に合わせて開発したアプリは、ストアの中ではなく、自社で用意したサーバーで動いています。ShopifyのAPIは3か月ごとに新しい版が出て、それぞれの版のサポート期間は最低12か月です。期限までにアプリを直し、動作を確かめる作業は、アプリを持っている側の仕事になります。

なお、App Storeから入れたアプリだけで運営しているストアには、この保守は必要ありません。更新の案内が届いたときの進め方は、Shopify APIの更新案内が届いたら|相談先と対応の進め方にまとめています。

出典
Shopify公式「About Shopify API versioning」確認日:2026年10月16日

外部との連携:相手側の変更でも止まる

倉庫への出荷の指示、基幹システムへの受注データの受け渡し、在庫の同期。こうした仕組みは、Shopifyと相手のシステムの両方の変更を受けます。Shopifyの利用規約でも、外部のサービスはShopifyが管理していないものとして扱われています。止まったときに、どちらの側の変更が原因かを調べられる相手を、あらかじめ決めておきます。

日々の運用:管理画面に入れる人も、ストア側で管理する

商品や価格の登録、受注の処理、お知らせの更新は、Shopifyが代わりに行うものではありません。もう一つ見落としやすいのが、管理画面に入れる人の管理です。

制作会社などに作業を頼むときは、オーナーのログイン情報を渡すのではなく、コラボレーターアカウントで招待し、触れる範囲を絞って渡す方法があります。コラボレーターアカウントを使うには、相手側で2段階認証を有効にする必要があります。依頼が終わったら権限を外すところまでを、運用の手順に含めておくと安心です。

出典
Shopifyヘルプセンター「コラボレーターアカウント」確認日:2026年10月16日

バックアップは、何をどこまで戻せるか

「Shopifyなら、データは消えない」と考えている方もいるかもしれません。Shopify公式は、商品、顧客、注文、ギフトカード、ディスカウント、財務データをCSVで書き出して保存する方法と、テーマを管理画面からダウンロードする方法を案内しています。ストア全体を保存したい場合は、App Storeのアプリを使う方法もあります。

一方で、書き出した注文を管理画面から取り込み直すことはできません。外部のアプリやAPIを使えば取り込めますが、その方法はShopifyのサポートの対象外です。どのデータを、どのくらいの間隔で、何を使って保存するのか。誤って商品を消してしまったとき、どこまで戻せるのか。ここは自社で決めておく部分です。

出典
Shopifyヘルプセンター「ストアを複製する」確認日:2026年10月16日

「保守」「更新代行」を頼むときに分けておくこと

「Shopifyの保守」「更新代行」といった名前のサービスでも、中身は依頼先によって違います。比べるときは名前ではなく、次のうちどれを頼めるのかを見ます。

  • 日々の運営商品登録や受注処理など、毎日の運営業務の代行
  • 更新作業文章や画像の差し替え、表示の修正
  • 動作の確認と追随テーマやアプリが正しく動いているかの確認と、Shopify側の変更への対応
  • 改修受注まわりの手作業を減らすための、小さな作り替え
  • 自社アプリの保守APIの期限に合わせた、コードの修正と動作確認

たとえばgrandworkの運用支援(Shopify)は、テーマ・アプリ・注文の流れの確認と、毎月の作業枠の中での修正や改善を受け持ちます。商品登録や受注処理といった日々の運営業務は含んでいません。自社でアプリをお持ちの場合は、アプリ保守として別にお受けしています。同じ「Shopifyの保守」でも、担当する範囲はこれだけ違います。

何かあったときのために書き出しておくこと

ストアの作りが分かる人が社内にいなくても、次のことを一度書き出しておけば、困ったときに相談先を探しやすくなります。依頼先へ話すときにも、そのまま使えます。

項目書き出しておくこと分からないときの相談先
テーマテーマの名前、買った場所、コードを直したことがあるかストアを作った制作会社
アプリ入れているアプリと、それぞれの使い道。使っていないアプリ各アプリの開発者
自社のアプリあるかどうか。使っているAPIのバージョンと、動いているサーバーアプリの開発会社
外部との連携つないでいるシステムと、連携を作った会社連携システムの担当会社
管理画面の権限入れる人と、コラボレーターの一覧社内のストアのオーナー
購入の流れテーマやアプリを変えたあと、購入の手続きを試したか運用の依頼先

購入の流れは、テーマやアプリを変えたあとに一度、テスト用の注文で確かめます。本物の決済やお客様への通知が発生しない方法で試すところまでを、確認の手順に入れておきます。

どこから手を付ければよいか分からない場合も、ストアのURLと入れているアプリを教えていただければ、担当の分け方から一緒に整理します。