本文へ移動

VercelとCoolifyの違い|サーバーの管理を誰が受け持つか

VercelとCoolifyは、どちらもコードからサイトを公開できる仕組みですが、サーバーの管理を誰が受け持つかが違います。2026年10月時点の公式情報をもとに、受け持つ範囲、費用の比べ方、向いているサイトを整理します。

IN THIS ARTICLE

「Next.jsで作ったサイト、どこに置けばいいんだろう」。そう考えたとき、まず名前が挙がるのがVercelだと思います。

一方で最近は、Coolifyという名前を見かけることも増えてきました。Googleでの「coolify」の月間検索数は、2025年10月の590回から、2026年1〜8月は月880〜1,900回になっています(Google 広告のキーワードプランナーによる)。

どちらも、コードをGitに置けばサイトが公開される。ここまではよく似ています。

違うのは、その下にあるサーバーの面倒を誰が見るか、です。ここを押さえておくと、費用の比べ方も、どちらを選ぶかも考えやすくなります。

この記事の結論

Vercelは、サーバーの管理まで任せられるサービスです。Coolifyは、自分で用意したサーバーに入れて使うソフトで、サーバーの更新やバックアップは自分たちで受け持つことになります。サーバーを見る担当がいない会社やお店のサイトなら、Vercelのほうが公開後の手間は少なく済みます。

Vercelはサーバーの管理まで任せるサービス

Vercelは、サイトを置くサーバーも、世界中の閲覧者へ速く届ける配信の仕組み(CDN)も、HTTPSの証明書も、まとめてVercelが用意して管理してくれるサービスです。

使う側がやるのは、コードを用意して公開の設定をするところまで。サーバーのOSやファイアウォールのことを、考える必要はありません。

ちなみに、Next.jsを開発しているのもVercelです。ページを一定の間隔や更新の合図で作り直すNext.jsの仕組み(ISR)も、Vercelの公式ドキュメントに専用の説明があります。公開した版に不具合が見つかったときは、管理画面から前の版へ戻すこともできます。

Coolifyは自分のサーバーに入れて使うソフト

Coolifyは、自分で用意したサーバーに入れて使う、オープンソースのソフトです。GitのリポジトリやDockerfileからサイトを公開できて、HTTPSの証明書も自動で用意してくれます。データベースを同じサーバーに置けて、バックアップの設定も画面から行えます。

こう聞くと、Vercelとほとんど同じに見えるかもしれません。

ただ、サーバーそのものは自分たちのものです。Coolifyの公式の導入ドキュメントでも、サーバーのOSの更新、SSHでの接続、ファイアウォール、DNSの設定は、使う側が受け持つものとして挙げられています。アプリやデータベースのデータ、それを戻せるところまで確かめたバックアップの手順も、使う側の責任です。

Coolifyが受け持つのは、コードからサイトを公開する作業と、HTTPSの証明書まで。サーバーのOSの更新やバックアップの確認は、自分たちに残るということです。

出典
Coolify公式ドキュメント「Introduction」(英語)Vercel公式ドキュメント「Instant Rollback」(英語)確認日:2026年10月17日

誰が何を受け持つか

公開してから続く仕事を、項目ごとに並べてみました。左がVercel、右が自分のサーバーでCoolifyを使う場合です。

サイトのコード、公開の作業、HTTPS、CDN、OSの更新とファイアウォール、データベース、バックアップを縦に並べ、Vercelではコード以外の多くをVercelが受け持ち、Coolifyでは公開の作業とHTTPSをCoolifyが受け持ち、OSの更新やバックアップはサーバーを管理する側が受け持つことを色分けした図
図:VercelとCoolifyで、誰が何を受け持つか(2026年10月時点の各社の公式情報による)
項目VercelCoolify(自分のサーバー)
サイトのコード作る側作る側
コードからの公開の作業Vercelが自動で行うCoolifyが自動で行う
HTTPSの証明書Vercelが用意するCoolifyが用意する
世界中へ速く届ける配信(CDN)Vercelに含まれる公式の導入ドキュメントに記載はない。必要なら別に用意する
サーバーのOSの更新とファイアウォールVercelが受け持つサーバーを管理する側
データベース外部のサービスと組み合わせる同じサーバーに置ける
バックアップと戻せるかの確認公開した版は管理画面から前の版へ戻せるサーバーを管理する側

表の中で、Coolifyの列に「サーバーを管理する側」と書いた行は、誰かが毎月手を動かす必要がある仕事です。

OSの更新を止めたままにしない。バックアップから本当に戻せるかを試しておく。こういった作業は、Coolifyが代わりにやってくれるものではありません。

Vercelのメリットとデメリット

受け持ちの表で見たとおり、Vercelのいちばんの強みは、サーバーまわりの仕事をまとめて任せられるところです。そのかわり、費用は使う量によって変わり、公開の作業をする人数でも増えていきます。

メリット

  • サーバーの管理がいらないOSの更新、ファイアウォール、HTTPSの証明書、世界中への配信は、Vercelが受け持ちます。攻撃の通信を和らげる対策(DDoS対策)も、はじめから有効になっています。
  • 公開する前に、変更を別のアドレスで確かめられる本番以外のブランチに変更を置くと、確認用のアドレスが自動で作られます。担当の方はそのアドレスを開いて、公開前の見た目を確かめられます。
  • 公開した版を、前の版へ戻せる公開したあとで不具合が見つかっても、管理画面から前の版へ戻せます。Proなら過去に公開した版から選べて、無料のHobbyでは直前の版へ戻せます。
  • Next.jsの仕組みに合わせて作られているNext.jsを開発している会社のサービスなので、ページを作り直す仕組み(ISR)など、Next.jsの機能の使い方がVercelの公式ドキュメントにまとまっています。

デメリット

  • 会社やお店のサイトは有料のProが前提無料のHobbyは、個人の、商用でない利用に限られています。とはいえ、Proは月20ドルからで(2026年10月17日時点)、閲覧の量がProに含まれる範囲に収まれば、費用はその金額のままです。デメリットと言えるほどの負担になるかは、サイトの使われ方しだいです。
  • 使う量が増えると費用も上がるProに含まれる量を超えると、上の段階の料金か、使った量に応じた料金になります。利用額の通知は設定できますが、月の費用が固定になるわけではありません。
  • 公開の作業をする人を増やすと費用がかかるProでは、公開の作業ができる人を1人増やすごとに月20ドルかかります。見るだけの人は無料です。
  • データベースは外部の会社のサービスを使うお問い合わせの保存や会員の情報を扱うなら、Vercelのマーケットプレイスから、NeonやSupabaseといった外部の会社のデータベースを選んで組み合わせることになります。料金はVercelの請求にまとめられますが、データベースの会社とプランは別に選びます。
  • Vercelの機能で動かしている部分は、移すときに作り直すVercelの設定ファイル(vercel.json)に書く転送の設定や、決まった時刻に処理を動かす機能(Cron Jobs)は、Vercelの仕組みです。ほかの置き場所へ移すときは、移し先のやり方で設定し直すことになります。
出典
Vercel公式ドキュメント「Environments」(英語)Vercel公式ドキュメント「Hobby Plan」(英語)Vercel公式ドキュメント「Pro Plan」(英語)Vercel公式ドキュメント「Storage on Vercel Marketplace」(英語)Vercel公式ドキュメント「Cron Jobs」(英語)Vercel公式ドキュメント「Incremental Static Regeneration」(英語)確認日:2026年10月17日・18日

Coolifyのメリットとデメリット

Coolifyの強みは、自分で選んだサーバーの上に、Vercelに近い公開の流れを作れることです。そのかわり、サーバーで起きることは、すべて自分たちの責任になります。

メリット

  • サーバー代を固定しやすい自分で動かす場合、Coolifyそのものの利用料はかかりません。費用の中心はサーバー代なので、月の費用が読みやすくなります。
  • 1台のサーバーに、まとめて置けるサイトのほかに、データベースや業務用のアプリも同じサーバーに置けます。よく使われるソフトを、画面から選んで入れる機能もあります。
  • サーバーを置く場所と会社を選べる国内のVPSも含めて、自分で契約したサーバーで動かせます。データを国内に置く、といった条件も、サーバーの選び方で満たせます。
  • 利用料なしで、商用のサイトにも使えるCoolifyは、Apache-2.0という条件で公開されたオープンソースのソフトです。この条件は商用の利用を制限していないので、会社のサイトにも利用料なしで使えます。手を加えて使うこともできます。

デメリット

  • サーバーの管理は自分たちOSの更新、SSHの接続、ファイアウォール、DNSの設定、データとバックアップは、使う側が受け持ちます。
  • Coolify自体の更新も自分たち自分で動かす場合は、Coolifyそのものの更新、バックアップ、復旧も、使う側の作業です。
  • 世界中への配信は含まれない公式の導入ドキュメントには、世界中の閲覧者へ速く届ける仕組み(CDN)の記載がありません。海外からの閲覧が多いサイトなら、別に用意することになります。
  • 1台にまとめると、障害もまとめて起きるサイトとデータベースを同じサーバーに置くと、そのサーバーが止まったとき、載せているものがまとめて止まります。
出典
Coolify公式ドキュメント「Introduction」(英語)Coolify(GitHub)Apache License 2.0(英語)確認日:2026年10月17日・18日

費用はサーバー代と管理の手間を合わせて比べる

料金表だけを並べると、Coolifyのほうが安く見えると思います。

ただ、2つは費用のかかり方がそもそも違うので、料金表の金額だけでは比べられません。2026年10月17日に、各社の公式ページで確かめた内容をまとめると、次のようになります。

項目VercelCoolify
無料で使える範囲Hobbyは無料。ただし個人の、商用でない利用に限る自分のサーバーに入れて使う場合は無料(Free forever)
会社やお店のサイトProが前提。月20ドルで、同額の利用分(クレジット)を含む自分で用意するサーバーの費用がかかる
管理を任せるプラン—(Vercel自体が管理するサービス)Coolify Cloudは月5ドル(サーバー2台まで)。1台増えるごとに月3ドル。サーバーは自分で用意する
使った量が増えたときProには、配信の量として月100万リクエストと1TBの通信が含まれる。超えると、上の段階の料金か、使った量に応じた料金になる。初期設定では、1か月の利用額が200ドルに達すると通知が届くサーバーの性能を上げるか、台数を増やす

Coolifyは、サーバー代を月ごとに固定しやすいのが利点です。その一方で、表には出てこない費用があります。サーバーの更新、監視、バックアップを受け持つ人の時間です。社内に担当がいなければ、その作業をどこかに頼むことになります。

Vercelは、使う量が増えるほど費用が上がる仕組みです。Proに含まれる配信の量は月100万リクエストで、Vercelの資料では、1日あたりおよそ3万3,000リクエストにあたると説明されています。

「それなら十分なのでは」と思われるかもしれません。ただ、ページを1回開くだけでも、画像やスタイルの読み込みでいくつものリクエストが発生します。閲覧の多い人気店や、写真をたくさん載せたサイトなら、この量を超えることもあります。

どのくらい使っているかは、Vercelの管理画面で日ごとに確かめられます。公開してしばらくは使う量を見ておいて、超えそうなら、写真のファイルの容量を減らすか、上の段階へ移るかを選ぶ。そんな進め方になります。

出典
Vercel「Pricing」(英語)Vercel公式ドキュメント「Hobby Plan」(英語)Vercel公式ドキュメント「Flat Rate CDN」(英語)Vercel公式ドキュメント「Pro Plan」(英語)Coolify「Pricing」(英語)確認日:2026年10月17日。金額は米ドル・税別

用途に合わせた選び方

どちらが優れているか、という話ではありません。サイトで何をしたいか。そして、サーバーを誰が管理できるか。この2つで選ぶことになります。

Vercelが向いているサイト

  • 会社やお店の紹介サイト固定のページが中心で、サーバーの担当を置かずに公開したいサイトです。閲覧が多い場合も、使う量を管理画面で確かめながら段階を選べます。
  • キャンペーンや採用の特設ページ短い期間に閲覧が集中しても、配信の仕組みはVercelが受け持ちます。その月に増えた分は、費用に反映されます。
  • Next.jsで作っていて、サーバーの担当がいないサイト公開後の作業を、サイトの中身の更新だけにしたい場合です。

Coolifyが向いている使い方

  • サイトと業務用のアプリを、同じサーバーで動かしたい社内向けの管理ツールやデータベースも、まとめて扱いたい場合です。
  • 社内に、サーバーを管理できる担当がいるOSの更新、監視、バックアップの確認を、毎月続けられる体制がある場合です。
  • 利用量が多く、費用を固定したい使った量で費用が変わるより、サーバー代で固定したほうが見通しやすい場合です。
  • データを置く場所を、自社で決めたい国内のサーバーなど、置き場所を指定したい場合です。

当社がVercelを標準にしている理由

grandworkでは、固定のページだけの会社・お店のサイトをNext.jsで作るとき、公開先の標準をVercelにしています。サーバーの更新や監視をサイトごとに抱えずに済み、公開後の保守を、サイトのコードと中身に集中できるからです。

ご希望があれば、Coolifyを使って、自社で用意したサーバーに置く形でもお作りできます。その場合は、サーバーのOSの更新、監視、バックアップの確認を、当社とお客様のどちらが受け持つかを、公開の前に決めておきます。

置き場所の話は、つい月の料金で比べたくなります。でも、あとから効いてくるのは、公開してから毎月続く作業のほうなのかもしれません。