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PHP 8.2のサポート終了に備える|WordPressのPHP更新前後に確認すること

PHPのサポート終了。すぐにサイトが止まるわけではありませんが、そのまま使い続けてよいかは気になるところです。WordPressのPHP更新で必要になる調査や準備、更新後の確認についてお話しします。

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PHPのサポート終了が近いと知っても、今サイトが普通に動いていれば、すぐに対応が必要なのか迷うと思います。サイトに詳しくなければ、何を誰に頼めばよいのかも分かりにくいところです。

PHPは、サーバーの中でWordPressを動かしているソフトウェアです。WordPress本体とは別にバージョンがあるので、本体を更新していても、PHPは古いままということがあります。

では、PHPが古いと分かったら、すぐに設定を変えればいいのか。私は、その前にサイトの状態を調べることを勧めます。PHPを新しくした途端に、今まで使えていたプラグインが動かなくなる場合があるからです。もちろん、この調査をお客様自身でしていただく、という話ではありません。

PHPの更新が必要か分からない場合も、ご相談ください

まずは、サイトのURLと気になっていることをお知らせください。PHPのバージョンやプラグインの名前が分からなくても大丈夫です。現在のサイトを調べ、更新が必要かどうかを確認するところからご相談いただけます。

PHPのサポート終了は、サイトの停止日ではないが…

サポートが終わった瞬間に、サイトが一斉に止まるわけではありません。ただ、表示されているからといって、そのまま使い続けてよいとは限りません。

公式サポートが終了すると、そのバージョンにはPHPの開発元からセキュリティ修正が提供されなくなります。あとから問題が見つかっても、公式の修正を受けられない。見た目には変化がなくても、使い続けるうえでの条件が変わるわけです。

PHP 8.2の公式セキュリティサポートは、2026年12月31日まで。ほかのバージョンも含めると、期限は次のようになっています。

PHPのバージョン公式セキュリティサポート期限
8.22026年12月31日
8.32027年12月31日
8.42028年12月31日
8.52029年12月31日

期限の出典:PHP公式「Supported Versions」。確認日:2026年9月26日。

「12月末までなら、まだ時間がある」と思うかもしれません。ただ、調べてみたら古い機能の修正が必要だった、という場合には、その分の時間もかかります。年末ぎりぎりになって作業を急ぐより、先に必要なことだけでも分かっているほうが、予定を立てやすくなります。早めの相談を勧めるのは、そのためです。

なお、サーバー会社によっては、公式とは別の「提供終了日」や「自動切替日」が決まっていることもあります。サーバー会社やOSの提供元による延長対応もあるため、上の表だけで個々のサイトの期限まで判断できるわけではありません。実際にいつまで使えるかは、更新を担当する側で、ご利用中のサーバーの提供条件も確認します。

延長サポートがあれば、更新までの時間を確保できる場合もあります。ただし、修正の対象・期間・費用はサービスごとに違いますし、今後の更新がずっと不要になるものでもありません。

新しいPHPを選べば、それで済む?

できれば、設定を一つ変えて終わりにしたいところです。でも、WordPressは本体だけで動いているわけではないので、ここは少し慎重になります。

WordPress公式が推奨しているのは、PHP 8.3以上です。ただ、本体が対応していても、何年も前から使っているテーマやプラグインまで、そのまま動くとは限りません。制作時に独自の機能を追加していれば、その部分も関係してきます。

たとえば、PHPを新しくするにはプラグインの更新が必要で、そのプラグインを使うにはWordPress本体も更新しなければならない。そういう組み合わせもあります。数字だけ見て新しいものを選ぶと、途中でつまずくことがあります。利用中のサーバーで選べるバージョンや、更新先のサポートがあとどれくらい続くかも、判断に関わってきます。

そのため、更新を担当する側で、WordPress公式の推奨環境やバージョン別の対応表、テーマ・プラグインの提供元の情報を調べます。子テーマや自作プラグインも含め、どこに手を入れる必要があるか、どの順番なら更新できるかを確かめる作業です。

これは、お客様に一覧を作っていただかないと始められない作業ではありません。「以前の制作会社が何か変更していたと思う」くらいの情報でも、相談のきっかけになります。調査で分かったことから、必要な修正と費用、日程のお話につなげていきます。

いきなり本番で試すのは、やはり避けたい

対応表に問題がなくても、実際のサイトでどう動くかは、試してみないと分からない部分があります。とはいえ、お客様が見ているサイトで試して、問い合わせが止まってしまえば、業務にも影響が出ます。

そこで、サイトを複製して、先にそちらで更新を試す方法を勧めています。この試験用のサイトが「検証環境」です。準備も含めて作業を依頼できるので、お客様が別のサイトを作っておく必要はありません。

複製なら何でもよいというわけではなく、最近追加したプラグインや、PHPの設定・拡張機能も本番に近づけておく必要があります。古いコピーで動いたから大丈夫、とは言い切れないところです。ここも、作業を担当する側で準備する内容になります。

もう一つ、バックアップも欠かせません。記事や設定が入っているデータベースと、テーマ・プラグイン・画像などのファイル。この両方が必要です。「保存できた」と表示されるだけでなく、いつのデータがどこにあり、どう戻せるのかまで分かっていて、初めて復旧の準備になります。

そのため、担当者が保存先・取得日時・復元に必要な権限を調べ、可能なら検証環境で戻すところまで試しておきます。今バックアップがあるか分からない、という場合も、そのままお伝えいただいて構いません。

バックアップ対象の参考:WordPress公式「Backups」。復元後に確認する機能は、サイトによって異なります。

問い合わせやEC機能のあるサイトでは、複製したサイトから本物のメールや決済を送らない準備も必要です。作業担当者が送信先や外部サービスへの接続をテスト用に分け、関係者以外は閲覧できないようにします。検索結果に出さない設定だけでは、第三者のアクセスを防げない点にも注意が要ります。

ページが表示されても、更新完了とは限りません

更新後にトップページが開くと、ひとまずほっとします。ただ、ここで終わりにしてしまうと、見えないところの不具合を見逃すことがあります。フォームからメールが届かない、予約投稿が動かない、といった問題です。

更新作業を依頼するときに知っておいていただきたいのは、見た目以外にも確認する場所がある、ということです。実際の操作やログの調査は、作業を担当する側で行います。

確認する場所作業担当者が試すこと作業報告に残すこと
公開ページトップ、サービス、記事、検索、メニューのPC・スマートフォン表示確認したページ、表示の欠落、更新前との差
編集機能ログイン、記事の編集、プレビュー、画像の追加操作した権限、エラーの有無
問い合わせ入力エラー、テスト送信、管理側の保存、テスト用宛先での受信実施時刻、送信と受信の結果
EC・会員機能カート、数量変更、会員ログイン、テスト環境での注文処理機能ごとの結果。実決済・顧客通知とは分けて実施
裏側の処理予約投稿、定期処理、外部連携、エラーログ実行結果、失敗や警告の有無

こうした操作は更新前にも試しておきます。以前からあった問題なのか、今回の変更で起きたのかが分からないと、原因を調べるのに時間がかかるからです。検証が済んだら本番の作業日時を相談し、変更を段階ごとに記録しながら進め、本番でも同じ項目を確かめます。

ここでお客様から教えていただけると助かるのが、普段の使い方です。「このフォームからの問い合わせが多い」「月末だけこの機能を使う」。そうしたお話が、作業側では気づきにくい確認漏れを減らしてくれます。専門用語で説明していただく必要はありません。

なお、本番への反映には気をつけたいことがあります。検証用のデータベースをそのまま本番へ戻すと、複製したあとに入った注文や問い合わせが消えてしまうおそれがあります。PHPの設定、修正したファイル、必要なデータ変更を分けて扱うことも、作業担当者の仕事です。

もし更新後に、サイトが真っ白になったら

サイトが表示されない、管理画面にも入れない。そんなときは、原因が分からないままでよいので、まず更新を担当した人へ連絡してください。調べてから連絡しようとして、さらに設定を変えてしまうと、かえって状況が複雑になることがあります。

「いつ頃から」「どの画面が開かないか」が分かれば、十分に手がかりになります。エラーが表示されているなら、画面を保存しておく方法もあります。その先の調査と復旧は、変更内容を把握している担当者へ引き継ぐ場面です。

  1. 影響が出ているところを調べるサイト全体なのか、一部の機能だけなのか。担当者が作業記録やログをもとに調査します。ログには個人情報や認証情報が含まれる場合があるので、共有が必要なら方法も相談します。
  2. 戻せる状態を確認して、復旧するPHPだけを変更したなら、元のバージョンへ戻せるかを確認します。ファイルやデータも変えた場合は、それぞれの組み合わせが合う状態へ戻す必要があります。
  3. 原因を調べ直し、次の更新に備える復旧後、検証環境でテーマ・プラグイン・独自の処理を調べます。サポート切れのPHPへ戻した場合は一時対応なので、改めて更新の予定を相談することになります。

古いPHPがサーバーで選べなくなっていたり、復元する権限がなかったりすると、すぐには戻せない場合もあります。そのため、更新前に復旧の方法と対応範囲まで相談しておくことを勧めます。「何かあったら誰に連絡すればいいか」も、作業の説明に含まれていると安心です。

詳しいことが分からないままでも、ご相談ください

ここまで読むと、PHPを更新するだけなのに、ずいぶん準備があると感じるかもしれません。でも、この準備をお客様に全部お願いしたいわけではありません。普段どおりサイトを使い続けられるように、更新する側で考えておくことがある、というお話です。

grandworkでは、PHP更新について、現在のサイトを調べるところからスポットでご相談いただけます。まずはサイトのURLと、ご相談したいことをお知らせください。サーバー会社からPHP更新の案内を受け取っている場合は、その内容も参考になります。「以前の制作会社と連絡が取れない」「バックアップがあるか分からない」といった状態でも、まずはお話を伺います。

必要な調査や修正の内容によって、費用と日数は変わります。お話を伺ったうえで対応できるかどうかと見積もりをご案内し、事前の検証から本番作業、作業後の確認や復旧まで、どこまでお受けするかを決めてから進めます。分からないところがあれば、その段階で一緒に整理できればと思っています。

ログイン情報や秘密鍵は、最初の問い合わせに添付しなくて大丈夫です。必要になった情報とその共有方法は、対応内容に合わせてご案内します。

  • PHPの更新、どこから手をつければいいか迷っている方へサイトのURLと、気になっていることからお話を伺います。保守契約がなくても、今回の更新についてスポットでご相談いただけます。スポット対応の内容と相談方法を見る